サボテンロボット

★★★★★★★★★☆（9）


「大丈夫。けいおん部は無くならないわ。」
風邪を引いたさわちゃんの家にみんなで押しかける話。
なんで最後の最後でさわちゃん回なんだと不思議に思ってたけど
見終わってこれがラストエピソードなのも納得がいったような。

さわちゃんは軽音部を見送る側であると同時に
既に軽音部を卒業した唯達の未来の姿でもある訳なんですね。
社会人になっても軽音部のOGが風邪を引いたさわちゃんの為に
みんな揃って集まってくるのは、唯達の友情がこれからも
変わらずに続いていく事を暗示しているのでしょう。

そして、それは唯達の下の代にも受け継がれていくと。
憂と純ちゃんの軽音部入りはまあそうなるんだろうなと
だいたい想像はついてた訳ですが、こうしてはっきりと
劇中で触れてくれたのは嬉しかったですね。
唯一気がかりだったあずにゃん一人ぼっち問題も解決して
これでもう思い残すことはないな。
先輩のバトンはしっかりと受け取りましたよ！という意味なのか
最後、三年生の後ろ姿に向けてあずにゃんが唯のギターパートを
演奏するシーンも中々象徴的で良かったですね。

えいがか！！
個人的にはTV放送直後に映画化発表というやり方は
最初からTV版で纏める気無かったのかよと言う気がして
あまり好きじゃないのですが、けいおん！の場合は
やることはしっかりとやりきった上でやる
ファンのためのおまけだろうと思うので素直に嬉しいですね。
楽しみにしたいと思います。

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★★★★★★★★☆☆（8）


「けいおん部にようこそ、にゃん！？」
番外編一弾。前回の予告で三年生組の姿が見えなかったので、
てっきり卒業後の後日談的な話なのかと思っていたが
時間が巻き戻って軽音部の勧誘ビデオをみんなで作る話だった。
パッツン唯のおかげで一目で時系列がわかるのが面白いな。

ここ最近の話は受験やら卒業やらで、どうしても
しんみりしてしまうシチュエーションが多かったのだが
今回は一期の頃を思い出すような笑いがメインのお話で
気楽に楽しめたのは良かった。
また、同時にこれを時系列通りに挟まずに敢えて番外編として
卒業後に持ってくる意図もなんとなくわかるような気もしたかなあ。

アバンで登場した一年前に作ったPVは素人っぽい酷い斬新な演出に笑う。
あの服人間は一体誰がどういう意図で考えついた演出なんだろう(笑)
あと、そこだけ画質が荒いのは京アニらしいこだわり方だが
貴重な澪ナースはHD画質で見たかった気もする。

最後に梓のアイデアによって作られたPVは軽音部への愛やら
優しさやらが素直に感じられる作りになっていて嬉しい。
オールキャスト登場も澪が一人ぼっちで写っていた
前年のPVとの対比になってるんだろうな。

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★★★★★★★★★★（10）


「卒業は終わりじゃない。これからも仲間だから。」
終わったー！
いや、まだ番外編が二回残されてはいるんですが
自分の中では今回で気持ちの整理がついたというか、
素直に４人が卒業する事を受け入れられたような気がします。
そして不思議と喪失感というのもあまりないんですよね。
それは「別れの寂しさ」より彼女達の「これから」が
感じられる作りになっていたからでしょう。

また、さわこ先生がクラスの皆に最後の挨拶をする所で
デスデビルVerさわちゃんのオチをつけたり
あずにゃんが「卒業しないで下さい」と泣くシーンでも
あまりシリアスなBGMが使われていなかったりと
製作側の「泣かせよう」という、あざとさが殆ど
感じられなかったのも素直に感動できた要因だと思います。

個人的に凄く良いなと思ったのは、和ちゃんと唯のシーン。
けいおん部の部室に行く唯と、生徒会に行く和。
今まで何度も繰り返してきたやり取りのはずなのに、
今日の別れはいつもとは違うんだと気付いて
引き返してまで一緒に帰ろうと声をかける唯。
それに対してあくまで普段通りに無言で応える和。
幼稚園の頃から一緒だった二人の強い絆がわかります。
結局、担当回はなかったけど、先週の赤面する姿といい
最後に和にスポットを当ててくれて満足でした。

まだまだ色んな事を書き足りない気もするけど
それはまた番外編も終わった後に総評で書こうと思います。
とりあえず最高の最終回をありがとうございました。

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★★★★★★★★☆☆（8）


卒業式の前日に集まって放課後以外もティータイム！
３年生は休みなのに自然と呼び掛けあって部室に集まり
お茶を飲んで雑談したり、トンちゃんに餌をあげたりと
高校生活で最後の放課後という切ないシチュエーションを
あくまでいつも通りにまったり過ごしていたのが印象的。

勿論、部室を掃除したり、自らの演奏を録音するという行為には
自分たちが「確かにここにいたんだ」という証を、
旅立っていく前に残しておきたいという気持ちがあるんだろうけど
その辺を感傷的になり過ぎずに見せるバランス感覚が見事だった。

さて、番外編がまだ残ってるとは言え、次回はいよいよ卒業ですか。
この作品、やろうと思えば、ゴールの無いけいおん部すごろくのように
延々と３年生の時間を繰り返す事もできたと思うんですよね。
ある意味、萌え系アニメの到達点とも言われる今作が
その萌え系作品の特徴でもある安定した空間から卒業して
最後に何を見せてくれるのか楽しみにしたいと思います。

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★★★★★★★★☆☆（8）


「あったか、あったかだよ。あずにゃん。」
まだクリスマスとかお正月の話があるよなと余裕ぶっこいてたら
一気に合格発表まで話が進んでしまってあずにゃん以上に
こっちが動揺させられてしまった。
そっか、本当にもう今月で終わりなんだな・・。

バレンタインと卒業という組み合わせは一見無関係に見えて
あずにゃんにとっては、どっちも「一年後輩」という事実を
否応なく突きつけられてしまうイベントなんだよなー。
この辺は自分には無い視点だったので目からウロコでした。

その他、印象に残ったシーンは、やはりあずにゃんを中心にして
軽音部のみんなで部室から雪を見るシーンでしょうか。
あずにゃんが軽音部への思いを語っている時に
その横顔を見つめる３年生達の顔が一人一人映るんだけど
その表情が凄く優しくてじーんとさせられました。

そして、同じように雪が降る渡り廊下で不安に凍える
あずにゃんを２年生ズが優しく抱きしめる所も印象的。
直球で励ます純ちゃんと、さりげなく見守る憂。
タイプは違うけどどっちも友達思いで本当にいい子だなあ。
この二人がいる限りあずにゃんは来年も大丈夫でしょう。

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★★★★★★★★★☆（9）


進路の問題よりも卒アルにどういう髪型で写るのかで悩む方に
たっぷり尺を使っちゃうのがこの作品らしいなと。

特にアバンの唯が鏡に向かって髪をいじるシーンの長回しが凄かった。
唯の髪ってそこまで長い訳じゃないからあまり変化の余地が
無いと思うんだけど、微妙なニュアンスと表情の変化で
しっかりと印象が変わったように見せる描写は流石。

進路の行方は結局みんな同じ女子大に進学で落ち着きましたか。
きっかけが澪だったのはなんとなく納得。
あの中では澪が一番さみしがり屋なんですよね。
卒アル話する時にドレッド写真で珍しくボケたのも
その前のトリオ漫才の流れが羨ましくてやったんだろうな。

あと、澪が律っちゃんのカチューシャの位置を覚えてたり
律っちゃんだけ澪が先生に呼ばれた理由に気付いたりと
さりげない澪×律描写にニヤニヤしました。

「うん、こういう犬、見たことあるわ」
髪留めって言ってるのにドヤ顔でクリップ差し出したりと
ナチュラルな鬼畜っぷりを発揮する和が面白かった。
そういや和の進路はどうなってるんだろうね。
まあ唯達よりもっと難しい大学に進学っぽいけど
和の事だから、卒業でお別れになっても
どうせ家近いからとか言ってあっけらかんとしてそうだなあ。
でも、だからこそ卒業式ではボロ泣きする和が見てみたい気もします。

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