青い文学シリーズ 第1話 人間失格 「鎌倉心中」 感想


「恥の多い生涯を送って来ました――。」
2009年秋アニメ第9弾は「青い文学シリーズ」
文豪の名作を人気漫画家によるキャラデザでアニメ化するという企画で
第一弾は太宰治の「人間失格」を小畑健のキャラデザ、
制作:マッドハウス、監督:浅香守生の布陣で挑む模様。
ちなみに原作小説は中学生の頃に一読した記憶はあるものの
殆ど詳細を覚えていないので、まっさらな状態で視聴。
1話は反社会的活動に身を寄せる葉蔵が逃亡の果てに
女中と出会い心中を図るも自分だけ生き残ってしまう所まで。
原作では先に子供時代の話があったような気がしたが
この辺は構成を入れ替えているのかな。
全体的なイメージとしては冒頭の真っ赤な空や、
入水自殺時の青など、鮮やかな色使いながら
どこか退廃的で毒々しい雰囲気を醸し出していたのが印象的。
小畑健×マッドハウスという事で「DEATHNOTE」を思い出しがちだが
どちらかというと「魍魎の匣」の方が近いかも。
その他、人物の書き込みや演技等も申し分なく
アニメーションのクオリティはかなり高かったなあ。
ナビゲーター&主役の堺雅人さんの声も違和感無く受け入れられました。
原作小説の表紙を小畑先生が描いてバカ売れした時は
人気漫画家の絵で釣るようなやり方が批判される事もあったが
このアニメを見る限り、そういったミーハー的な思惑やあざとさは無く、
名作文学に真摯に挑もうとしている姿勢が感じられた気がする。
今後は以下のようなスケジュールで放送されていく模様。
どの作品もあまり映像化が想像つかないので興味深い。
しかし流石に荒木先生の「伊豆の踊り子」は無理だったか(笑)
太宰治 「人間失格」× 小畑健 / 第1話~第4話
坂口安吾 「桜の森の満開の下で」× 久保帯人 / 第5話~第6話
夏目漱石 「こころ」× 小畑健 / 第7話~第8話
太宰治 「走れメロス」× 許斐剛 / 第9話~第10話
芥川龍之介「蜘蛛の糸」× 久保帯人 / 第11話
芥川龍之介「地獄変」× 久保帯人 / 第12話