【映画】 「告白」 感想 【ネタバレ無し】

これは極限の"エンターテイメント"
昨日観に行ってきました。ネタバレ無しの感想です。
原作は2009年の本屋大賞にも選ばれた湊かなえさんの小説。
私は原作を読んでから映画館に足を運びましたが、
もし未読の状態で観ていたらほぼ満点の評価になっていたと思います。
これは原作小説の方が優れているという意味でも、その逆でもありません。
この作品はミステリ的な要素を少なからず含むので、
結末を知っている分、衝撃度が和らいだというだけの事です。
なので、もし映画を観るか原作を読むか迷っている人には
個人的にはまず映画を観ることを勧めます。
物語は数カ月前に事故で娘を亡くした女教師(松たか子)が
生徒達に退任のあいさつをするところから始まります。
最初はふざけてばかりで真面目に話を聞いていなかった生徒達が
教師のある衝撃的な"告白"によって凍り尽く事になる・・という出だし。
ジャンルとしては社会問題を扱ったサスペンスになるのかと思いますが
そういった作品に付き物の説教臭さというものが皆無なのが素晴らしいです。
基本的には陰鬱で救いようのない話なのですが
公式HPでも極限の"エンターテイメント"と謳っている通り
あなたは気持ち悪いと感じつつも、物語の行方から目を逸らすことはできず
最後にはある種の爽快感さえ感じることでしょう。
そこがまた怖くて気持ち悪くて不快で、
でも凄いと唸らされる部分じゃないかと思います。
この監督の作品は初めてみましたが
映像的にも凄いセンスの持ち主だと感じましたね。
題名の通り、登場人物の独白がずっと続く作品なので
映像化はかなり難しいのではないかと思ってましたが
2時間全く退屈せずに観ることができたのは驚きでした。
音楽の付け方とかもかなり独特なんですけど
いい意味で悪趣味な感じが物語に合っていたんじゃないんかな。
ストーリーは構成とか若干いじってるけど基本的に原作に忠実な印象。
ただ、細かい部分での変更点がちょこちょこあって
そこは監督の色が出ているのかなと興味深かった。
個人的には、松たか子がレストランから帰る途中のシーンとかは
原作には無いんだけど凄く好きなシーンですね。
あと、原作では明かされなくて気になっていた
犯人の母親が犯人の事をどう思っていたのかという部分が
映画では語られてニヤリとしていたのですが、これは後から考えると
ただの主観でしか無いなと気付いてゾッとしました。
あの人ならあそこで嘘を付いたという可能性も十分あり得るよな。