紅 kure-nai 第09話 「貴方と私と」


九鳳院の檻に縛られた紫の過酷な運命を知り、
改めて紫を守る決意を固める真九朗。
そんな真九朗に紫は優しくキスをする。
それは母親に教えられた大切な人への愛情が詰まった純粋な行為。
そんな二人の想いが美しく純粋であればある程、
圧倒的な暴力と権力によってそれらが踏みにじられてしまうBパートの
構成は胸にくるものがあって痛々しい。
特に、普段無邪気な紫が恐怖で萎縮してしまっている様や
五月雨荘のみんなに見送られながら自らの足で去っていくシーンは、
見てて胸が締め付けられる思いだったなあ。
やはりこのアニメ、人間描写の上手さでは
今期の中でも頭一つ抜けてる気がする。
戦闘シーンは派手さはないけど、淡々と仕事こなす様が
用心棒女の冷徹さを印象づけていて良かった。
全体的にとても満足な出来だったけど、少し気になった事。
真九朗は例の角を使った上でやられた方が
決意の強さも、その後の絶望感も引き立ったような気がする。
おそらく次は角を使ってリベンジを果たす展開になると
思うけど、それだと真九朗自身の心の成長というよりは
角の強さのほうが強調されてしまうんじゃないか?
まあ、角の力を自分自身の力と受け入れて、
コントロールできるようになるのも成長と言えるのかもしれないし、
そもそも全然違う展開になるかもしれないんだけどね。